銀髪のお姉さん

とっても綺麗な私の先輩。

軽音のドラムの人。

赤マルの人で、くそみたいな男と私に引っかかってる人。

居酒屋さんでキスされたこと、家まで連れ込まれたこと、紐パンで縛られた事、沢山触られたこと。

忘れられないけれど、忘れなくてもいいのかもと思ってる。

あんなに腑抜けたドラムを叩くくせに、彼氏のケツは叩けない人。

泣きそうな顔が綺麗なこと。

本当は愛されたいこと。

「愛されたことしかないにぼちゃんには、愛してもらえない人間のことなんてわからないんだよ」って言ってたけどさ。

愛した方もわからない可哀想な人。

でもあなたはだから綺麗だった。

綺麗なままで私の思い出の中と、板橋の街の中に、しまっといてあげる。

だからそのまま、その泣き顔のまま、そこから出てこないでね。

そこにしまわせておいてね。

私も、あの歩道橋を、手を繋いで歩いたことだけ、あの場所の街灯と、車の光だけ、覚えといてあげる。

幸せにならなくていいから、幸せだと言うくらいの人生を送ってね。

大嫌いでした。